2014-09-28

久しぶりにグリム童話を読んでみる。第102話Der Zaunkónig und der Bär, 第103話 Der süßer Brei, 第104話 Die klugen Leute である。第102話では、総大将の狐(Fuchs)が常に尻尾を高くあげていた。. . hielt den Schwanz noch in der Höhe (no.6438) ところが、敵軍のスズメバチ(Hornisse)がやってきて三回ほど刺す。三回目には痛さのあまり、schrie und nahm den Schwanz zwischen die Beine. (no.6438) とある。この用法は、英語の with one’s tail between one’s legs と同じである。「尻尾を巻いて逃げる」という日本語の言い方はこれらの言い方から借用したようだ。

第103話 Der süßer Brei は短い物語。魔法使いから不思議な鍋(Tröpfchen)をもらった女の子、おかゆが欲しくなれば、”Töpfchen, koche” と言って、それを止めるには”Töpfchen, steh” という合い言葉(まじない)を言う必要があるが、女の子のお母さんがその言葉を忘れて大変なことになった話である。

第104話はちょっとグリムにしては変わった話である。互いにだまし合いをして牛や馬やお金を巻き上げる話である。商取引の盛んな様子がうかがえる。一つの表現を覚える。unter Brüdern (no.6466)は「掛け値なしで」という意味とある。たしかに兄弟同士ならば、本音で、掛け値なしで商売をする。