2023-12-20

The Doomsters (by Ross Macdonald)を読了した。ところでいつも不思議に思っていたのだが、MacdonaldはMacDonald とならない。ネットで調べてみたら、大文字と小文字の両方ともあるようだ。どちらが多いということは言えない。これは私はファーストフードをよく食べるので、マクドナルドの表示になれているからか。

さて、The Doomsters は2回目の読書である。あらすじはほとんど忘れていたので、新鮮な気持ちで読むことができた。また、真犯人は意外な人であった。真犯人も忘れていた。彼の作品では、常に思いがけない人が真犯人である。などと言ってしまうと、ネタバレするので、これ以上は言うことはできないのだが。

彼のミステリーは謎解きの要素もあって面白いが、それ以上に楽しみなのは、LA郊外の自然描写が魅力的だ。もちろん、日本のような緑に囲まれた自然とは異なる。砂漠、単調なハイウエー、地平線、牧場など、何となく、「乾いた」感じがする。日本の小説には出てこない風景描写が面白い。

そして、重い人間関係の描写もある。親子関係、罪悪感、劣等感、不正腐敗などがある。冒頭のCarl Hallman の罪の意識など深掘りされて、彼の世界へ引きづりこまれてゆく。筆者は心理学の知識が豊富であることを窺わせてくれる。