2014-09-05

Sherlock Holmes, L’intégrale + Bonus gratuit (kindle 版)を自分は今眺めている。この本はシャロックホームズ全集の仏訳版である。ボーナスで有名でない話も付け加えられているようだ。とにかく、読み始めてみる。ルパン全集のフランス語と比べると非常に読みやすい。これは、翻訳だと文がやさしくなるからか、あるいはホームズの話は自分は既に知っている話だから読みやすいのか、とにかく、すいすいと読んでいくことができる。これは面白そうだと感じた。

ホームズの物語は15年ほど前に、大半を英語で読んだことがある。それで、また英語で読む気にはならない。他の言語でならば読んでみるのも面白いだろうと思う。現在、グリム童話集を読んでいるが、ずっと読んでいくと飽きてしまうので、ホームズ全集の仏訳版と alternatively に読んでいくと適当な気分転換になりいいだろう。

まず、第一作の『緋色の研究』(Une étude en rouge) から読み始める。冒頭は語り手のワトスンのアフガニスタンでの苦労話から始まる。19世紀半ばの二つのアフガン戦争で、イギリスは苦戦をした。ワトスンも第二次アフガン戦争で負傷して、ロンドンに戻ってきた。その時点からホームズの物語が始まる。しかし、イギリスはこの当時、世界中に顔を出していた(関与していた)のだと驚いてしまう。さほど人口も多くない国が、巧みな外交と経済力と海軍力で世界の覇権をにぎっていたのは驚きである。

ホームズには感情移入しやすい。それは具体的な事項がよく分かっているからである。年齢、住所、職業、知人などはだいたいは明らかにされている。一方のルパンは、とらえどころがない。年齢も分からない。どこに住んでいるのか。いつも姿形が変わるので、具体的なイメージが掴めない。それ故に、感情移入できない。しばし、ホームズとルパンをも対比させながら本を読み続けていきたい。