2014-06-11
ワンパターンの表現がよく出てくる。例えば、Die Stunde, wo ihr sagt: “Was liegt ….” が繰り返される。ルター訳の聖書のパロディかと思って、検索するがこの言い方は聖書にはない。
有名な超人についてだが、最初からいろいろと論じてある。(no.355)には, Seht, ich lehre euch den Uebermenschen: der is dieser Blitz, der ist dieser Wahnsinn! とある。この本の文章は総じて短くて、さらに文章の繰り返しが多いので分かりやすい。語彙も『影なし男』と比べるとやさしい。だが、問題は、何を言っているか分からないことだ。やさしい表現はいいのだが、結局は何を言いたいのか、と思ってしまう。おそろく、聖書からのパロディとか当時のドイツの思想界での出来事を踏まえて皮肉や批判を述べているのだと思う。当時の事情は、後の世代の人にとっては分かりづらい。高コンテキスト、低コンテキストという用語をコミュニケーションの授業で習ったが、Zarathustra は当時のはやりの話とか聖書をふまえているので、高コンテキストの語りである。
でも、時々分かる文章もある。(no.376) Der Mensch ist ein Seil, geknuepft zwischen Tier und Uebermensch – ein Seil ueber einem Abrunde. などは感心してしまう。それから気になったのだが、この本では、Mensch, man, Mann は使い分けてあるのか。