2014-06-09
『影を売った男』を読み続けている。kindle版は途中で2章ほど戻ってしまうことがある。ある箇所で次のページへとタップすると、以前の章に戻ってしまう。校正がキチンとされていないという印象を受ける。以前、『狭き門』を読んでいた時も、無校正の状態で、スキャナーした原稿をそのまま取り入れたのではと思うほどだった。
校正の悪さは電子書籍の大きな欠点である。急速に普及したので、校正や組み込みが正確になされていない。今後はバグは取り除かれていくことを期待したい。
さて主人公は、灰色の男から、魂を売る契約にサインをしろとせかされている。サイン一つで(Federzug) で恋人は自分のものになる。しかし、Peter はもう迷わないようだ。ところで、Federzugは独和大辞典で調べると(アクセス独和辞典とクラウン独和辞典には記載なし)、雅語でFederstrich 「ペンでさっと書いた線」の意味とある。私の小学生のころは、まだインク壺でインクを含ませてペンで手紙を書いたものだった。ペンがFeder(鳥の羽)で作られることも分かっている。そして、書き終えたら、吸い取り紙(Loeschpapier)でインクの汚れを吸い取ることも知っている。でも、今の若い人はそんなことは知らないだろう。
先日、アマゾンで Ross Macdonaldの本をたくさん注文した。一冊は伝記で他は彼の小説である。今日届いたので、画像を記載する。Tom Nolanという人の書いたRoss Macdonald: A Biography なる伝記がある。その Introduction部分を Sue Graftonが書いていた。この人も有名な推理小説の作家のようだ。そのイントロによれば、生涯 Hammettは5冊、Chandlerは7冊書いたのに対して、Ross Macdonaldは多作で 8冊書いたという(ただし、Lew Archerシリーズのようだが)。とにかく、私が今日アマゾンで購入した本19冊を写真で示してみる。どうやら Ross Macdonaldの主要な本はすべて網羅しているようだ。しかし、いつになったら読むことができるのか。
外国語で本を読むととてつもなく長い時間がかかる。薄い本でも英語で3日ほど、フランス語で7日ほど、ドイツ語で10日ほどかかる。しかも夜にお酒を飲んだりすると、もう何も読む気がせずにぼんやりとしてしまう。何とか、読書のスピードを上げたいと願うのだが。