Patricia Cornwell によるPostmortem を読み始めている。だいたい1割ほど読んだ。英文が易しいのでありがたい。主人公は死体の解剖を行う医者である。つまり検死官である。早川などの翻訳では「検屍官」という名前を当てているので、一応、その訳語に従っておく。確かに検屍官の方が不気味さが漂ってくる。
死体の描写などは生々しくて読むのが辛かった。しかし、作者は実際に検屍官を経験した故に、その描写は臨場感にあふれている。Outsider からではなくて、Insider からの描写は迫力があるな、と感心した。
この作品がヒットしたのは、間違いなく、検屍官としての生々しい描写、insider からの説明からによる。
後、パソコンがまだDiskette を利用して情報のやり取りをしていた時代なので、やや時代に古さを感じる。今は、パソコンの発達が当時では信じられないほどであり、DNA検査も同様である。今の科学技術があれば、犯人はもう少し早く見つかったのかもしれない。