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Ray Bradburyの有名な幻想小説 The Illustrated Man (Ray Bradbury, 1952, Harper) を読み始める。この本は何年か前に読んだことがある。調べてみたら自分の他のブログだが、2014年4月7日ごろに感想が書いてある。その頃に読んだようだ。The October Country と比較して色々と感想を述べている。The October Country は不気味でエドガー・アラン・ポーと通じるような暗さがある。しかし、The Illustrated Man はやや軽い。近未来がテーマとなっているので、文明風刺のようで、例えば冒頭の The Veld は過度に機械に依存するなという警句と考えると、人間存在の不気味さを語った物語ではない。とにかく再読であり、内容は大体覚えているのだが、再読でも楽しめそうな点は、やはり質の高い小説であるからだろうか。

プロローグで刺青の男が現れる。ちょっとドキドキする。刺青を表すのに、illustrated という語を使うが、これは辞書では、「絵で例示された」という意味である。tatoo と全く同じように使われるのか。

He took his shirt off and wadded it in his hands.  He was covered with illustrations from the blue tattooed ring about his neck to his belt line. (p.3) のように、illustration – tattoo が併用されている。

This wasn’t the work of a cheap carnival tattoo man … (p.4)

主人公が刺青の男にどのようにして彫り師と出会ったのか、と聞くとどうやら広告・掲示を見たようだ。

He had seen her painted sign by the road: SKIN ILLUSTRATION!  Illustration instead of tattoo! Artistic!  (p.5)

この文では、刺青の男は、tattoo ではなくて、illustration と書いてあるので彫ってもらうことにした、と書いてある。すると、この The Illustrated Man というタイトルは、もっと芸術的なニュアンアスが出るように、「全身に絵画が彫られた男」というようなタイトルにするのがいいだろう。