Pierre Lemaitre のCamille を読んだ。カミーユ・ヴェルーベン警部シリーズの3作目だ。これで一応、完結か。50歳を超えた警部が辞表を出して、このまま引退するのか。しかし、第4作、第5作と続けてくれるとありがたいのだが。

3部作の中では、私はこの作品が一番好きだな。カラクリが巧妙に仕組まれていて、どう決着がつくのかは、興味に惹かれて次から次とページをめくっていった。(もっとも、私が読んだのは、kindle の英訳版であるから、画面の右端を押すだけであったが。)カラクリが見事であるが、また人間模様が切なくて読んでいて苦しくなる。アンヌと結ばれる警部を願ったが、そうはならなかった。最後の場面など余韻が残る。

フランス語版で読みたいのだが、kindleでは販売していない。仕方がないので、英訳本で読んだのだが、これくらい構成力のある筆者の本ならば、訳本を読んだのでは、どうしても隔靴掻痒のような気がする。筆者のフランス語の使い方をしっかりと見てみたいという気がする。

警部と恋人アンヌの気持ちのやりとりなど、どうしても原文で味わいたいという気がする。