2014-12-09

森の中で Maurice と Marie-Anne が会っているときに、Martial がやって来て、3人で言い争いになる。3人とも人物的には申し分ない性格なので、みんなが幸せになってほしい。そんなときに、父親の Lacheneur が Chanlouineau と一緒にその場面に登場する。このあたり、かなり話ができすぎていて現実味がない。なんとなく、お芝居を見ている気がする。これからどうなるのか、第一部とどのようにつながるのか。ついには、Chupin まで出てくる。この男は第一部では飲み屋の主人になっていたことを覚えているが。

Marie-Anne にすべての若者が恋をする点も嘘っぽい。そして、彼女は高貴な性格と美しい容姿の持ち主である、というのも物語だからであろう。現実世界では、女性も人間だから、計算高くていつも腹の中でそろばんを弾いている面がある。そんなところは無視してひたすらMarie-Anne を崇高な存在であると描こうとする。名前まで聖母マリアを連想させる名前である。女性が筆者ならばこんな風に Marie-Anne を描かなかったろう。

Marie-Anne の目は黒いようだ。 dans ses deux grands yeux noirs (no. 1298) 黒い目と青い目がどのように西洋文学の中で語られているのか興味がある。とにかく、この著者は黒い目に価値を置いているようだ。彼女の髪の色はまだ述べられていない。黒い髪だろうか、それとも金髪か。髪の色の西洋文学での価値にも関心がある。白雪姫の髪は黒髪であったことを思い出した。ドイツ文化圏で黒髪の人がいるのか。むしろいないから童話の主人公として黒髪の持ち主なのか。ふーん、連想は続く。