2014-10-21

グリムの童話集の第107話 Die beiden Wanderer を読む。これはかなり面白い話だが、あんまり有名ではないように思う。勧善懲悪の内容であり、陽気な仕立て屋が悪い相棒からひどい仕打ちをうけるが、最後はめでたしめでたしという話である。

ただ、深い森を越えるのに、相棒は7日分の食料を用意するが、自分は二日分の食料しか用意しない。これは愚かな行為であり、自業自得であるとも言えよう。アリとキリギリスの関係を思わせる箇所でもある。

自分は森の描写の部分は好きである。そもそもこのブログのタイトルが「異文化の森へ」と名付けるくらいであるから。…, kamen sie an einen großen Wald, durch welchen der Weg nach der Königstadt ging. (no.6607) それから次の部分もいい。In dem Wald war es so still wie in einer Kirche. Kein Wind wehte, kein Bach rauschte, kein Vogel sang, und durch die dichtbelaubten Äste drang kein Sonnenstrahl. (no. 6613) なども好きな描写である。

さて、この森の中で、仕立て屋は明らかに「死と再生」を経験する。… auf dem Feld stand ein Galgen. (no.6638) と絞首台が象徴するものは死である。ここで、仕立て屋は暗い闇の世界から、再び明るい世界へと戻るのである。

このところ、あるプロジェクトに取りかかり時間がなかった。少しの時間でもいいから趣味の本を読んで、ブログを書いていきたい。