2014-09-17

Maigret hésite を7月11日に読みはじめたが、しばらく中断していた。今日再読を始めた。まず第一の感想は、フランス人の名前は覚えづらい。であるから、別紙に誰が誰であるか記しておかないと、人間関係がすぐに分からなくなる。それは、外国人の名前が日本人には馴染みがないからであろう。

驚いたのは、p.45のこの会話である。Maigretが弁護士(M. Parendon)の秘書に次のように質問をする。, je vais vous poser une autre question indiscrète. と断ってから Couchez-vous aec M. Parendon? である。あって間もないのに、この質問である。秘書は動揺することもなく、Dans un sens, c’est oui. と答えている。このあたり異文化だなと痛感する。日本ではこのような質問をすぐに刑事が行うとは考えづらい。思い出したのは、『異邦人』で、検事が主人公の恋人に「いつ関係を結んだか」と質問して、恋人が正直に答えていた場面である。西洋文化では、法廷では宣誓したからには(つまり神の前では)、正直に答える文化なのか。このあたり、よく分からない。

この時代では人々はピストルを持っていたようだ。Maigret が L’avocat に – Vous avez un revolver? と聞くと、彼は- Un vieux browing, dans un tiroir de ma table de nuit. (p.51)と答えている。防犯用にピストルの保持は許可されていたのか?現代でもそうなのか。