2014-09-12

The Mystery of the Blue Train (by Agatha Christie, HarperCollins, 2001)を読む。あまり面白くない。途中までよかったが、詰めが甘い気がする。最終場面で著者は結末をどうしたらいいのか迷ってしまったようだ。また、登場人物が類型的である。人の内面が描かれていない。でも、それゆえに、気安く読めるのかもしれない。下手に登場人物の内面がくわしく描かれていると、読者が共鳴しすぎてつらくなることがある。適当な距離感があって読める点はいいのだろうが。

語彙的なことを数点のべる。日本語で老人を「片足が棺桶に入っているような」という表現があるが、英語でも同様の表現がある。But he’s got one foot in the grave already,… (p.35) 面白い。彼は夫としてはずれだ。He is , as you say in England, a bad lot. (p.175)このような表現は日英語で共通であり興味深い。