2014-08-23

Salomé (kindle version) を読み始める。原文つまり Oscar Wilde がフランス語で書いた版を読む。Wildeが、なぜ英語ではなくて、フランス語で書いたのか不思議である。序文に次のように述べてある。My dear Florence, Will you accept a copy of “Salome” my strange venture in a tongue that is not my own – (no.5) と何やら弁解めいたことを述べている。

読み始めると、このフランス語は非常に分かりやすい。どうしてか。一つは Oscar Wilde が母語でない言語で書いたのであまり複雑な文ではないとも考えられる。あるいは戯曲なので、話し言葉は書き言葉よりもやさしいからとも考えられる。冒頭のヘロディアスの小姓の言葉は不気味で、この戯曲の全体を暗示している。書き写しておく。 Regardez la lune. La lune a l(air très étrange. On dirait une femme qui sort d’un tombeau. Elle ressemble à une femme morte. On dirait qu’lle cherche des morts. (no. 23)

聖書のこの話に該当する部分を知りたくて、kindle版の聖書をSalome で検索をかけても出てこない。該当したのは別人でイエスの死後にお墓を訪れる人である。そこで、Wikipedia で調べると、背景がよく分かった。マルコによる福音書に元の話が詳しく述べてある。それを原資料としてマタイ、ルカなどでも記載されたようだ。