2014-08-21

The Moonstone を読み終える。読み応えがある。最高の傑作だ。かなり長い本だが、気持ちの集中が途切れることなく最後まで読めた。英文も古風だが、それがまた魅力である。現代人からすると、もったいぶった言い方に思えるが、この当時は人々は大仰な言い方をしたのだろう。インドの英語は現代でも、この当時のイギリス英語の伝統を受け継いで、かなり大仰な言い方をするようだ。

自分が一番心打たれたのは、不幸な女性 Rosanna Spearman が入水するところだ。8月17日のブログでも述べたが、遺書の I have found my grave where my grave was waiting for me. という箇所が圧巻であった。Franklin と Rachel の純愛も美しいが、やや作り話の気がする。The Moonstone という宝石は最後は収まるべき箇所に収まってよかったと思う。このような結末が一番納得がいく。この本の評価として85点をつけたいと思う。

ネットで書評をみていたら、The Moonstone を月長石と訳すのはおかしいとの指摘があった。なるほど、ダイヤモンドを「月長石」と訳すのは無理か。でも巷にはこのタイトルで広まっているので、もう変更はできないだろう。