2014-06-24

Le mystère de la chambre jaune. (Gaston Leroux) kindle版 を読み終える。最後にすべての謎がうまいぐあいに解けていく。書き手は上手だなと思う。
ところで、パソコンのない時代の探偵小説の作家たちはどのようにして前後左右のつじつまを合わせたのだろうか。今は、パソコンにストーリーを打ち込むかたわら、前を参照しながら、あらすじに矛盾がないように調整できる。そんなことは簡単にできるだろう。ところが、19世紀の作家たちはタイプライターに打ち込みながら、論理に破綻はないか、いろいろと検討しながら打ち直していったことと思う。膨大なエネルギーがかかっただろう。

読み終えてからネットでこの本の書評を見てみた。手厳しい評価をしている人もいる。現代人には、テンポよく話が展開する方が好まれるのかもしれない。自分は結構楽しんで読めた。特に当時の人々の風俗習慣や生き方を想像したりすることは楽しい。70点という評価を与えたい。