2014-04-25

Maigret et la Grande Percheを読んでいる。メグレシリーズでは、登場人物に興味を引かれることが多いが、今回は特に興味深い登場人物が多い気がする。一番の中心人物は金庫破りの名人の Fred-le-Tristeである。本名はAlfred Jussiaumeであるが、あだ名はFred-le-Triste である。いかにも寂しそうな、悲惨な生い立ちを抱えていそうな人物である。

写真の説明がp.29にある。La peau collait aux os, les narines ?taient longues etpincees, et le regard avait une intensit? quasi mystique. やせて神秘的な雰囲気な人物。しかし、尊大ではなくて、おどおとした小心者か?

おなじく、p.29に、sans faux col, avec la pomme d’Adam qui saillait, on sentait l’immense solitude de l’homme dont la tristesse n’avait pourtant rien d’agressif. とある。どうな人物か知ってみたいと読者は関心をそそられる。

彼の愛人のGrande Percheも面白そうな人物である。昔、Maigret に面倒をかけたりしたことがあったエピソードは笑ってしまう。また刑事Boissierとの関係も知りたいところである。この3名の関係は何か。それは過去を探る事で明らかになるのであろう。それが謎解きなのである。

探偵小説は過去が大事である。人々は過去の積み重ねの総体として現在がある。作家たちは、過去の出し方を工夫する事で、探偵小説の魅力を高めている。このあたり、Bradbury のように未来志向の小説とは雰囲気が異なっている。

YouTubeでこの映画を見てみる。Bruno Cremér主演でいくつかのメグレシリーズの映画があるようだ。