2014-03-20
 
先週まで October Country (Ray Bradbury)を読んでいたので、Maigretシリーズとの違いにいろいろと気づいてしまう。October Countryは少年の目で、少年の視点がうかがえる。この世の奇怪のものを、見てしまったその驚きを、綴っていると言えよう。そして、Bradburyは、night, attic, ravine, basements, dawn, carouselなどが自分の favorite nouns であると語っている。これらの語を構築して独特の世界を築き上げているから、入り込むためには、これらのキーワードに読者もある種の愛着を感じなければならない。このあたり、敷居が高いと言えよう。
Maigretでは、主人公のさりげない日常から話しがスタートする。ある電話とか、突然の訪問者とか、そこから話しが展開していく。その流れは自然なので、あまり構えなくても読者は容易にその世界に入り込める。また、パリの情景、特に、アパルトマンの階段を上っていく状況の描写など、読者も入り込める。このシリーズは敷居は高くはない。でも、謎解きがこの本の魅力の多くを占めているので、再読をしたい気には、あまりなれない。Bradburyは、好きな人ならば、何回でも読んでみたいと感じるのだろう。