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昨晩、シネフィルWOWOWで、ニコラスケイジ主演の『8mm』という映画を見た。1992年の映画であり、出てくるパソコンや携帯電話は、今の時代から見ると、古めかしくて、その点懐かしい雰囲気がある。

内容はグロテスクである。ある私立探偵(ニコラスケイジが演じる)がいる。ある富豪が遺した8mmフィルムの中に殺人事件の映像があって、それが本物かどうか。つまり、そこで殺された女性は、本当に殺されたのか、それとも単に演技なのか調べて欲しいとの依頼だ。ある富豪の未亡人がそれを知りたがったのだ。

その私立探偵が調べて行く過程が、Ross Macdonald の探偵小説の主人公 Archer の行動と似ている。いろいろな人と接近して、そこから情報を積み重ねて、真相へと繋がって行く。映画の場合は、どうしても見せ場が必要で、アクションの場面があるが、その点を除けば、Ross Macdonald の小説と似ている。

a snuff film とは、「殺人の映画」という意味だそうだ。8mmが 本当に snuff かを調べることで話は展開するが、この映画でsnuff という単語を初めて知った。「ロウソクの芯の焦げて黒くなった部分」の意味で、動詞としては、snuff out のように使われて、「殺す」の意味になる。

とにかく、見ていて楽しくなる映画ではないが、アメリカ社会のアンダーグランドの一部を見ることができるので、勉強にはなる。


Illustrated Man を読み始めたが、ちょっとダレ気味でストップしている。そこで、Ross Macdonald のSleeping Beauty を読み始めた。Bradbury はやはり内面と外面の世界が相互していて、筋を追いづらい。しかし、Ross Macdonald は分かりやすく、歯切れよくストーリーが進む。しばらくは、この本 Sleeping Beauty を読んでいこう。