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Ross MacDonald の The Zebra-Striped Hearse を読み終える。Ross Macdonald の今まで読んだ中で、一番面白いと思った。また、人の愛が語られている、人の愛の弱さと強さを語っている。100点満点で、90点の出来であると評価したい。この本は一回もだれることがなかった。この前に読んだ The Barbarous Coast はしばしば、だれることもあり、途中で読むのに難儀したが、このZebra-Striped は一つの隙もなく最後へとゆく。例のごとく、どんでん返しの連続で読者は驚かされてしまう。

カリフォルニアを舞台にした小説はスペイン語の知識もある程度が必要である。Macdonald は随所にスペイン語をちりばめて、メキシコに近いカリフォルニアの雰囲気を出している。日本人の読者にとっては、こんな異国情緒も楽しみである。

私立探偵 Archer はよく深夜や人のまばらな地域の一軒家を訪ねて行き、そこの女の人と話をして情報を得る。一人ぐらしの女性が、そう簡単にドアを開けて、家の中に Archer を招き入れて話をするか。日本以上に物騒な世界でドアを叩いたら、女性が主人公をやすやすと家の中に案内している。ちょっと違和感を懐く部分だ。

この本では、助動詞の後に、of が出現することが多い。it must of been sometime around the middle of May. (p.138) のような文である。辞書を丹念に見てみたら、have の弱形表記だそうだ。なるほど会話の音声にできるだけ近づけて表記しているようだ。

The clock chimed two quarters – half-past two – as I struggled through the village to the posada. (p.104) このtwo quarters の意味が分からない。quarter が複数あって、この場合は二つあるので30分を意味するのか。よくわからず。これは自分自身への宿題だ。

さて、Ross Macdonald もかなり読み飽きたので、次は、SFの大作、Solaris を読んでみたい。(補記 , 数ページ読んだが、難しそうだ。後日の楽しみに取っておく。)