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Labro が旧友あるいは仇敵の Jules の来るのを待っている。もう6か月も不気味な葉書を送り続けている。郵便局の女係員は Il est rigolo, votre ami, disait la postiére qui en était venue à guetter les cartes postales. (p.65) と言う。「あなたのお友達は変わった方ですね」である。この guetter の訳であるが、どうするか。葉書を「待ち構える」として、venir + à + inf で「たまたま~する」という意味である。「たまたま待ち構えていた」と訳すべきか。でも、待ち構えるのは前もって予期しておくので両方がうまくかみ合わない。guetter の訳として「待ち構えていた」は相応しくないようだ。どのように訳すべきか。
この本の翻訳があれば、調べてみたいが、アマゾンをザーツと目を通したところでは訳本はないようだ。
さて、Jules が船に乗ってやってくる。船の先頭に立っている。そして段々と近づいてくる。Il se tenait toujours immobile, debout au-dessus de l’étrave qui fendait l’eau et s’en faisait des moustaches d’argent. (p.65) 「彼は身動きしない、船首に立っている。その船首は水をかき分け、銀色の泡を飛ばしていた」という訳か。ここで、s’en faisait のen はeau を指すのであろう。水を飛び散らして、船首の部分の周りに泡が銀色の口ひげのようになって飛び散るという光景を形容している。こんな箇所はどのように訳するのだろうか。よほど高度な飜訳能力を持った人でないと、この部分はきちんとした日本語に直すことはできないだろう。
なお、英語にも似たような表現がある。参考に次のブログを見てほしい。