2015-03-24

アンデルセンの『絵のない絵本』を読み続けている。第7話まで読んだ。各話ともそれぞれ情感がこもっていて感動する。お月さまが世界を見て、庶民の暮らしぶりに共感したり、同情したりしている。対象となるのが王様や貴族ではなくて、名のない一般の人々であることがよい。

第7話は海のそばに生えている木々(Bäume)についてのお話だ。人々がその木のそばを通り過ぎながらいろいろなことを語る。その内容をお月様は語る。叙景詩を集めた物語である。海のことを das Meer と訳してある。自分は英語に慣れ親しんでいるので、「海」は die See (海)と訳してくれた方が座りがいいように感じる。(もっとも、この語は「湖」という意味の時もあるので気をつけなければならない)

この本は自分は中学生ぐらいの時に読んだことがある。その時は、あまり面白いとは思わなかった。しかし、この歳になって、ドイツ語で読んでみると、とても惹かれる内容である。月が貧しい画家に毎晩お話を教えてくれるという設定も大好きだ。文章も美しいようだ(独訳がどのていど原文を反映しているかは分からないが)。この中のいくつかの文章は暗唱してもいいかなと思うほどである。

一つ一つのお話が短いのでドイツ語の学習に最適ではないか。