2015-03-27

アンデルセンに関して少し考えをまとめてみたい。まず、『童話集』を読み始めたら、暗い話ばかりで嫌になり、『絵のない絵本』を今読んでいるところである。これもトーンは似ているが、短い話であり、訳されたドイツ語も美しいので味わいながら読むことはできそうである。あと、『即興詩人』Improvisatorenも有名であるが、自分は読んだことはない。Kindle で入手できるのは英訳版ばかりのようである。しかし、読むべき本ではあろう。

Wikipedia では、アンデルセンについて以下のように述べてある。
(引用始まり)……………………………………………………….
初期の作品では主人公が死ぬ結末を迎える物も少なくなく、若き日のアンデルセンが死ぬ以外に幸せになる術を持たない貧困層への嘆きと、それに対して無関心を装い続ける社会への嘆きを童話という媒体を通して訴え続けていた事が推察できる。しかし、この傾向は晩年になってようやくゆるめられていき、死以外にも幸せになる術がある事を作中に書き出していくようになっていく。
(引用終わり)…………………………………………………………

『童話集』が暗い話ばかりであるのは、彼の育ちにも関連すると書いてある。かれは貧しい靴屋のせがれとして育っている。しかし、両親からは愛されたので、ぐれたりはせずに努力家としての人生を送る。たしかにアンデルセンの作品は暗いが、かと言って病的な面、狂気的な面はない。(このあたり、ポーの作品とは異なる)アンデルセンの作品は貧しく不幸な人々への暖かい眼差しを感じることはできるのである。この点はいい。

このところ、忙しいのだが、『絵のない絵本』だけでも、まず通読したい。