2015-02-16
La Paste では、ペストの意味を人々は問うている。no. 1982 では、神から集団への罰(punition collective)ではないかと問うている。Tarrou が医師にこのペストは人々を目覚めさせる恩恵ではないか、と質問している。Vous pensez pourtant, comme Paneloux, que la peste a sa bienfaisance, qu’elle ouvre les yeux, qu’elle force à penser! Tarrouは医師に神を信じるか Croyez-vous en Dieu, docteur ? (no.1998)とも聞いたりする。医師ははっきりとした言い方は避けているが神を信じていないようだ。
日本で疫病が流行ったとしたら、仏罰であると考える人は少ないだろう。その時は、人々は科学的な知識に沿って、淡々と処理をしていくと思う。西洋社会では、この神についての議論が必ず行われる。要は悪の存在と神の存在がどのようにして両立するのかという問いかけである。ペストが幼い子供達の命を奪っている、神はなぜそのようなことを許されたのか?そのような問いかけに対しては、Paneloux 神父のように、試練なのだ、神から試されているのだ、と答えるのである。
日本文化では、ものごとを神に還元して考える風習はない。それは、日本文化を深くしたのか浅くしたのか。そのような質問の仕方は愚かしいかもしれない。絶対者の存在への無関心が我々の文化の特徴であろう。