2015-05-12
第164話は Der faule Heinz である。話が飛ぶのであらず時を追いづらい。怠け者の Heinz がヤギを飼っているのに飽きて結婚すれば楽になるだろうと die dicke Trine(太ったトリーネ)と結婚しようと決める。トリーネの親にお願いしに行ったら、同じような者は上手く付き合いができる gleich and gleich gesellt sich gern (no.9063)とあっさり許可される。妻がヤギを飼うのは面倒臭い、と蜂を飼うことを提案する。それで隣人にヤギを蜂を交換して、蜂蜜をためている。そこで、なぜか突然、ガチョウの話が出てきて、そして子供を作って番をさせるという話になる。そして子供がいうことを聞かないときは、この棒でお仕置きをすると言って、間違えて蜂蜜の入ったツボを壊す。でも特に問題なく、この話は終わる。(何を言いたい話なのか、こんなにのんびりした夫婦がいるので読者も焦らずに生きて行けという道徳訓の話か)
第165話は Der Vogel Greif である。この話はアレマン語(ドイツ南西部方言)で書かれている。こんな調子である。
S isch einisch e Chönig gsi, woner gregiert hat und wiener gheisse hat, weiß i nümme. De het kei Sohn gha, nummene einzige Tochter, die isch immer chrank gsi, und kei Dokter het se chönne heile.(no.9096)
これを普通のドイツ語に直すサイトがあって、それを見ると以下のように翻訳できるようだ。
Es war einmal ein König, wo der regiert und wie er geheissen hat, weiss ich nicht mehr. Er hat keinen Sohn gehabt, nur eine einzige Tochter, die war immer krank, und kein Doktor konnte sie heilen.
(Grimms Märchen http://www.grimmstories.com/de/grimm_maerchen/der_vogel_greif )
英訳で読んでみる。面白い。3人の兄弟がいて、病気のお姫様にリンゴを与えると治ると聞いてかれらは出かける。上の二人は高慢であるがゆえに、失敗する。馬鹿なハンスと呼ばれた末子がその仕事に成功する。なお、最後に Greif の羽を取りに行くときに3つの難問を Greif が寝ている時に教えてもらう、というパターンはよくあるパターンである。しかも、渡し場で船頭にこの仕事をやめるためにはどうするかと質問されて、以前の童話では竿を旅人に渡して彼を船頭にすることであったが、この話では旅人を川の途中で沈めるといいということになっている。典型的なグリム童話の話だが、アレマン語で書かれている点が残念ということか。グリム兄弟たちはどのような考えでこのような方言の話も収集したのか。