2015-01-09
第146話は Die Rübe である。二人に兄弟がいて、一人は金持ちであり、一人は貧しい。これはよくありふれたパターンである。西洋圏の言語では、Brüder とあるだけで、どちらが年長でどちらが年少かは分からない。感覚的には、兄が金持ちで、弟が貧しい、とすると収まりがいいのではないか。一応そういうことにして論を進めていく。
弟はカブ(Rübe)の種をまくと、そのカブが成長していく。大きくなったので荷車に積んで二匹の牛に引かせて、王様に献上する。王様にお返しに、黄金や土地を与えて、兄以上に金持ちにする。その話を聞いて兄も恩恵に与ろうと、王様に黄金と馬を献上する。(カブに対して大変なご褒美を弟に与えたので、自分の献上品にはもっと素晴らしいものを授けてくれると考えたのだ)。王様はこんな素晴らしいものに対しては、これ以上に稀で貴重なものとして例のカブを授ける。兄は大変失望する。
兄は殺し屋を雇って弟を待ち伏せして、殺し屋たちは弟を袋に詰めて木につるしたところである若者がやってきたので逃げてしまう。袋に入った弟は若者にこの袋の中にいると賢くなると説得して代わったもらう。そして、若者が袋の中に入ったら賢くなったろうと話しかけて自分は若者の馬をとって去る、という話である。
まあ、面白い話である。これに枝葉をつければもっと面白くなりそうな話である。が、民話はこんなところでいいのか。
第147話は Das junggeglühte Männlein である。聖ペテロ(Petrus)が病身の老人を暖炉に入れて引き出して呪文を唱えると20歳のような若者に変身した。その話を聞いた老婆が鍛冶屋に同じことをしてくれと頼み込んで、暖炉に入れてみるとしわくちゃな猿に変身したという話である。これもまあ面白い。特に何の道徳訓も含まれていない点がいい。
……………………………………………………………………………….
Complete New Testament Greek: Teach yourself (kindle 版)を購入する。2,405円である。特に、ギリシア語を勉強しようというのではないが、好奇心で購入する。少し解説を読んだところだが、新約聖書のギリシア語は、古典ギリシア語と比べると、かなり単純化された民衆が使うギリシア語とのことである。活用などが簡略化されていて、勉強もかなり易しいそうである。Teach yourself シリーズは、ラテン語や古典ギリシア語もあるので、kindle に入れておき、暇なときに眺めるのも一興かなと思った。