2015-01-04

グリム童話集を読み続ける。第131話は Die schöne Katrinelje und Pif Paf Poltrie である。あまりピンとこない。言葉遊びなのだろうか。求婚する話だが、それぞれ家族からの承諾をえる。そして、持参金が十分か確認する。最後に仕事は何かと聞かれる。仕立屋(Schneider)か、靴屋(Schuster)か、農夫(Ackersmann)か、家具職人(Schreiner)か、鍛冶屋(Schmied)か、粉屋(Müller)か、それぞれ順番に聞かれるがもっといい職業と答えて、最後に箒職人(Besenbinder)かと聞かれて、そうだと答える。

これは当時の職業の貴賎関係を示しているのか。あるいは、聞かれるたびにもっといい仕事をしていると答えて、最後に、あまりたいした仕事でもない箒職人と答えているーーという点が面白いのか。当時の社会事情が分からないと面白さが伝わってこない。

第132話はDer Fuchs und das Pferd である。年を取って働けなくなった馬を追い出されそうだが、ライオンを連れてきたら家に飼ってやると言われ、狐に相談したら、計略でライオンを主人の所にまで連れてきて、それで生涯養ってもらったというお話。

似たような話をグリムの中で読む。どれだったか、年取った犬が狐に助けてもらうお話があった。狐が主人の子供をわざと誘拐して、それを犬が取り戻し、生涯優遇されるという話があった。また、ブレーメンの音楽隊も似たお話である。生産力の低い時代は、老人や年老いた家畜は養っておく余裕はなかったことの反映であろうか。

第133話は Die zertanzten Schuhe である。これは自分はかなり興味深く思った。あらすじは、王様の12名の娘が夜中にどこかに出かけて靴がすり減る。不思議に思う王様が、娘がどこに行くか見つけてくれたら、娘の一人と結婚してゆくゆくは王国を譲ると宣言する。しかし、見つからなければ志願者の命を取る、という条件である。

志願者が次から次と現れるが、みんな失敗して命を失う。しかし貧しい兵隊が老婆から助けてもらい、12名の王女たちが地下の国行き12名の王子と遊びまわることを発見する。そしてそのことを王様に告げて、王女の一人と結婚してめでたしめでたしの物語である。

まず、「死と再生」のテーマがあることに気づく。死のリスクを乗り越えなければ、王国を継ぎまた王女と結婚できない(つまり成人として再生できない)という民話によくあるパターンである。また、12名の王女たちが夜になると地下の国へ、そして湖を渡り(zu einem großen Wasser)、そしてお城で(in einem unterirdischen Schoß)で12名の王子たちと踊り明かす。これは無意識の世界、裏の世界の欲望の象徴か?

YouTubeでもこの物語がある。下に貼り付ける。話を知ってこのビデオを見るとドイツ語は理解できなくても大体内容は見当がつく。