第130話は、Einäuglein, Zweiäuglein und Dreiäuglein である。ある女に3人の娘がいて、一人は目が一つ、次は目が二つ、次は目を三つ持っている。目が二つの娘は、他の娘たちから自分達とは異なるとして迫害を受ける。満足な食べ物も与えられない。

そこで泣いているとdie weise Frau (no. 7926) が現れて助けてくれる。(die weise Frau の訳だが、「白魔女」とすべきか、白魔術を扱う女性ということだろう。なお、辞書を引くと、産婆とか堕胎を手伝う産婆という意味で一般に使われていることを発見する)その die weise Frau は山羊を示して次のように呪文を唱えるとご馳走が現れると教える。

Zicklein, meck,
Tischlein deck.

片付けるときは、次のように唱えると、消えると教えてくれる。

Zicklein, meck,
Tischlein, weg.

これらの呪文は韻が踏んである。meck, deck, weg である。またグリム童話集では、つねに、縮小のあと綴りである -lein, -chen が多用される。これで子供向けの物語となりやすくなっている。

一つ目と三つ目の娘が性悪女と描かれており、これは差別の問題と関係するだろう。話自体は面白いのだが、現代では身体障害者への差別を助長する恐れありとして避けられるのではないか。また、絵本にするには、不気味な感じがして、画像を見ても楽しめない。

最後は素敵な紳士が現れて、二つ目の娘を見染めて結婚するということで、ハッピーエンディングのお話である。これはシンデレラの話と似ている。一番虐待されていた娘が一番の幸せを掴むという話である。

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Youtubeを見ていたら、ヘンゼルとグレーテルの話の朗読を見つけた。便利な点はドイツ語の字幕がつく点である。これは便利である。6:29分のところで、ようやく二人が森から自宅に戻ってきてドアを叩いて開けてもらったら、japanischen Kinder と母が子供達にいう。これは何か?原文では、ihr bösen Kinder となるのだが、このYoutubeではいくつか内容の編集をしている。「日本人の子供たち」と言っているのか?不思議である。