2014-07-18
グリムの童話集の第60話Die zwei Brüder を読んだ。この話はいくつもの話が合算されてできた話である。はじめは二人の兄弟、一人は貧しい帚作りで、他は金細工師 (Goldschmied)で金持ちである。黄金の鳥の話が出てくる。貧しい男が捕まえた黄金の鳥 (Goldvogel) を食べて、自分も黄金を生み出す力を手に入れようとした金細工師が鳥を焼いていると、間違って貧しい男の双子の兄弟が食べてしまう。そこで、金細工師からの復讐を恐れて双子は森へ逃げていく。
そこから話がいろいろと進展するのだが、それからの話が双子がお金を生み出す力があることと関係ない。とりわけ、竜を退治したり、森の奥で魔法使い (Hexe)を退治するときもまったく関係ない。もともとは異なる3つの話を合成して出来上がったようだ。これは面白い話へなる可能性のある素材だけを読ませてもらったという印象をうけた。ストーリの展開をもう少し洗練すれば、いい話になるのではと思う。
ここで、初版本の物語を見ている。第60話Das Goldei である。ほうき職人(Besenbinderjungen)の兄弟とその妹(Schwesterchen) の物語となっている。森で金の卵を見つけて、と面白そうな話になりそうなところで中断で fragment と記載があるだけである。断片だけを掲載したようである。Wikipedia には、「第2版で「金のたまご」に代わって追加。グリムの注にパーダーボルン地方の話とある。」という情報が掲載されている。