2014-04-21
Ray Bradbury を読んでいる。R Is for Rocketの2番目の話しは The End of the Beginningである。宇宙開発の始まりの時代であり、人々は素朴に新時代の訪れを信じていた。p.17に次のような文がある。
All I know is it’s really the end of the beginning. The Stone Age, Bronze Age, Iron Age; from now on we’ll lump all those together under one big namefor when we waked on Earth and heard the birds at morning and cried with envy. Maybe we’ll call it the Earth Age, or may be the Age of Gravity.
人類は1969年に月に到着したが、それ以降は宇宙開発はあまり進んでいない。その当時は2014年ぐらいになれば、人類は火星に到着もあり得ると考えられていた。しかし、宇宙開発には乗り越えなければならないハードルがいくつもあり、いずれも高すぎて、宇宙への進出は容易ではないようだ。
でも、The End of the Beginning を読んで、こころが少し和んだ。人類の新しい時代への素朴な賛歌である。私自身の若かった頃と重なり合って懐かしい感じがある。
ところで、p.20にある Racket followed by warm silence.という文だが、これはrocketとracketを重なり合うようにわざとracket(大騒ぎ)という語を選んでいるようだ。これまたBardburyが語りの巧者であることを証明していると言えよう。
それから最近感じたことだが、Bradburyの話には味覚の要素はない。Maigretを読んでいると、常に食べ物や飲み物やタバコの話がでて、味覚や嗅覚を刺激されるが多い。しかし、Bradburyでは、選ばれた語彙を重層的に効果的に使っているので、皮膚感覚や聴覚・視覚に強く訴えられる。dark、evening, night, cold などは彼のもっとも好む語彙であろう。これらが巧みに組み合わせれて読者に語りかけてくる。