今日は日曜日だ。ゆっくりと新しい探偵小説を読もう。The Barbarous Coast (Ross Macdonald, Vintage Crime, 2007)を読み始める。Mr. Bassett という人物の家を訪問しようとする。すると、黒人の警備員と話しをする。黒人の英語は次のような次第だ。You didden have to honk,… (p.3),  He don’t want to see you. (p.4),   Maybe I dunno. (p.6)  こんな言い方をすることで、黒人特有の発音や文法を示している。

二つほど分からない表現がある。The guy’s a cycle-path what they call them.  (p.6)  このcycle-path の意味が不明だ。「自転車道」だが文脈から考えても不明だ。

それから新しい依頼人 Mr. Banett が Archer を紹介してくれた人がいると述べて、You’ll be interested to know that he considers you quite a fireball. (p.10)  と言っている。fireball だが、「火の玉」が辞書の原義だが、文脈から「有能」という意味だろうと見当がつく。1950年頃のカリフォルニアで使われた言い方なのか。よく分からず。

さて、この本も面白そうだ。Ross Macdonald 中毒になってしまった。


(補足2017/11/27)  

黒人の警備員と述べたが、これは訂正する必要がある。この警備員は Tony Torres と言う名前だ。彼を形容する表現が、以下のようである。…, his head had the combination of softness and strength you see in old Indian faces. His skin was dark. (p.3) とある。肌が dark とあるので、「黒人」だと見当を付けたわけだが早計だったようだ。あとになって、He was quite dark, Spanish-looking. (p.45) とある。彼の小説では、肌がdark とはスペイン系の住民を意味するようだ。

考えてみれば、彼の小説では黒人は単に Negro という言い方をしている。現代では差別語としてNegro は使われないが、この当時1950年代は普通に使われた表現のようだ。わざわざ肌の色をdark と形容するのはその人が黒人でないからだ。