2015-01-11

第161話は、Schneeweißchen und Rosenrotである。白雪ちゃんと赤バラちゃんとでも訳したらいいのか。白雪姫の話との相似があるかと思ったが、特に似たところはない。ある未亡人が二人の娘と暮らしていた。白雪ちゃんと赤バラちゃんである。あるときに、クマが家に来たので家に泊めてあげる。そして、クマと二人は仲良くなる。そして、小人たちがヒゲを挟まれて困っている時に、二人はハサミでヒゲを切って助けてあげる。しかし、小人たちはあまり感謝しない。小人たちは実は悪党共であって、クマが彼らを滅ぼす。そして彼らの管理してた宝石などを手に入れる。そこで魔法が解けてクマは美しい人間になり、クマにも兄弟がいて、白雪ちゃんと赤バラちゃんは、彼らと結婚してめでたしめでたしである。

第162話は、Der kluge Knecht である。ある時に主人が賢い家来(Hansという名前)を牛を探しに出す。しかし、彼は牛を探している風でもない。お前は何を探しているのかと聞くと、’Drei Amseln,’ antwortete der Knecht. ‘Und wo sind sie?’ fragte der Herr. ‘Eine sehe ich, die andere höre ich, und die dritte jage ich,’ antwortete der kluge Knecht. (no. 8958) と答える。うーん、このところの解釈がわからない。三羽のムクドリを探している。一羽は私が見て、もう一羽は聞いて、最後の一羽は狩りをする。というような意味なのか?とにかく主人に使えるのはやめて自由に気楽に生活を楽しんだ、という話だが、Amselnがどう関わるのか分からない。

第163話は、Der gläserne Sarg である。貧しい仕立て屋が森の中で泊まっていると、夜中に牛と鹿が戦いをする。仕立て屋が鹿の角にしがみついていると、あるお城に連れて行かれて、そこにはガラスの棺桶(Sarg)の中にいた伯爵の令嬢を見つける。Es lag wie im Schlafe, und war in lange blonde Haare wie in einen kostbaren Mantel eingehüllt. (no, 9006) ここでは、令嬢の髪はブロンドとなっている。白雪姫は黒い髪であるが、このあたり、ブロンドと黒い髪がドイツの文化でどのような意味を持っていたか調べると面白そうである。とにかく、仕立屋は令嬢を棺桶から救い出し、城も魔法から解けて、めでたしめでたしとなる。

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グリム童話集はゆっくりと読む必要がある。宝石箱から一つ一つ宝石を取り出して、鑑賞するようにして読んでいくならば、その真価を味わえるだろう。しかし、古臭い語句がたくさん出てくる。独和大辞典にも掲載されていない古い用法がたくさん出てくる。これは困ってしまう。『グリム童話集を読むための辞典』、というような本が発売されれば、非常に重宝だと思うのだが。