2014-11-06

アマゾンを見ていたら、村上春樹の『色彩を持たない多崎つくるの〜』の仏訳が発売されていた。さっそく注文して取り寄せる。L’incolore Tsukuru Tazaki et ses années de pèlerinage というタイトルである。訳者は Hélène Morita とあり、刊行は Belfond社からである。訳者の名前から判断して、日本人と結婚したフランス人女性のようだ。英訳は数か月前に読んであるので内容は知っている。現在のところ、『多崎つくる』は『国境の南、太陽の西』の次に気に入っている本である。

村上春樹の小説は常に死がライトモティーフとなっている。冒頭からTsukuru Tazaki vécut en pensant presque exclusivement á la mort. とある。村上自身は死の情念に取り付かれている人には見えないのだが、どうして繰り返し死について語るのか。il estima que le plus natural et le plus logique était qu’il mette un terme à son existence. のような文をみると自分はかすかに苛立ってくる。そんなに繰り返し死について語らなくてもいいではないか。

通勤の途上で iPod で『国境の南、太陽の西』の英訳をaudio bookで聞いたことがある。面白かった。この本の仏訳のaudi obookが発売されれば、フランス語の勉強を兼ねて購入するのだが、まだ発売されていない。だが、『多崎つくる』のaudiobookは、英訳はもちろん、仏訳も独訳も発売されている。それならばさっそく購入したいが、この忙しさでは無理だな。とにかく、今年の目標は、グリム童話集を何とか読みきること、Monsieur Lecoq を読みきること、そしてこの L’incolore Tsukuru Tazaki を読むこと。

とにかく、いろいろと忙しい。でも、自分で引き受けた仕事ばかりだから文句は言えない。これ以上は仕事は引き受けないで、ミステリーやSF小説を読む時間を確保したい。