2014-06-21

犯人が再びやってくると記者が予想して待ち構える(どうして記者が予想したのかは、まだ読者には分からない)。しかし、とり逃す。その時に、人々が第一に行うことは、令嬢の安否確認がであり、令嬢がどこにいるか探すことであろう。でも、みんなは犯人を捜すことばかりに夢中になって、令嬢の居場所を探したりしない。このあたりの話の流れは不自然だ。著者にはある種の意図があるのだろう。とにかく、17章(no. 2047)から令嬢の話となる。

自分は、いままでは、読む前にWikipediaを参照してある程度の知識を得ていたが、今回はネタバレを恐れてあえて調べなかった。しかし、この話には続編があるらしいと聞いて、昨晩は少しだけ調べてみた。分かったことは、著者の Gaston Leroux は『オペラ座の怪人』を書いた人とのこと、さらにこの本の続編は Le Parfum de la dame en noir とのこと、この表現はこの本の中にも頻繁に出てきて、この本の謎の一つとなっている。続編の訳は『黒衣夫人の香り』とある。香りではなくて香水が訳語としては適切では?

さて、この章は、記者の手記をもとに、著者が書いているという建前だ。探偵小説の場合は語り手の視点の置き方にいろいろなケースがある。ワトソンのように探偵の助手が語り手となる場合もあれば、探偵その人が語り手となる場合もある。後者の場合の探偵は超人的な能力の持ち主ではなくて、調べて分かったことを愚直に述べて次第に犯人に迫っていく。それから第三者が語り手のときもある。松本清張の小説がそうであろう。犯人が語り手の場合もある。その場合は読者が共鳴できる犯人像を描かなくてはならない。

昨晩はめずらしく酒を飲まなかった。おかげで結構読み進むことができた。でもそうすると長時間の読書で目が痛くなることがある。適度な酒量と適度な読書が解決策かな。