DVD『君の名は』を見た。難しい内容で、すんなりとは内容に入っていけない。筋が込み入っている。タイムスリップしたり、男女の入れ替わり、3.11 の震災を踏まえたプロット。複雑すぎて、よくは分からない。

ネットで他人のレビューを見ると、感動したとか、涙が止まらなかった、などの感想が結構あるが、自分にはあらすじを追っていくのがやっとだった。

飛騨の町の美しさがアニメながら伝わってきてよかった。糸守市という架空の町が一つの舞台である。ここは高山市がモデルかと思ったら、それは飛騨市だそうだ。飛騨市はこのアニメのように美しくて、季節感あふれた町ならば、いつかは訪問してみたいと思った。

女子高生が東京に憧れる気持ちは分かる。東京にはモダーンで、ハイソサエティの生活があるのだろうと想像している。私自身は、東京でサラリーマンをして満員電車の経験があるので、東京での生活はこりごりだと感じる。

この映画では、東京に住む男子生徒と飛騨に住む女子生徒が何故か入れ替わりになる。そして、その二人に交流が始まり、それが恋になってゆく。二人のコミュニケーションのツールはスマホである。その意味では、現代風である。

そして、二人が突然、互いの名前が分からなくなる。君の名は?君の名は?と叫ぶのだ。あれはどの様な意味があるのか。名前が分かれば相手が分かる。突然の記憶喪失に陥るのだ。このあたりの場面だが、監督は何を言いたかったのか。

私の年齢だと昔の映画『君の名は』の方が親しみやすい。佐田啓二と岸惠子が演じた二人の悲恋、佐田啓二が岸惠子に「君の名は?」と聞くと、答える前に空襲警報が鳴って、名前を告げることができない。それゆえに、この映画は「君の名は?」とタイトルを付けることは意味がある。

しかし、この新海誠監督の映画は「君の名は」とする必然性がないようだ。せっかく、思わせぶりなタイトルだが、この点は監督の意図は空回りしたと思う。