2015-01-04

第134話は Die sechs Diener である。魔女がいてその娘が大変の美しさの持ち主である。求婚者に対して、課題を課してそれをこなしたものは結婚できるとする。しかし、課題をこなせなければ首を切られるのであった(das Haupt ward ihnen abgeschlagen, no. 8119)。娘の美しさに惹かれて多くの男性が求婚してそして失敗して命を落とした。

ある王子がそれに挑戦する。行く途上で様々な能力をもった6名の家来とであう。ふとっちょ(der Dicke)などである。彼らの助けを借りて課題をこなす。no.8150では、das Roten Meer が出てくる。これは「紅海」のことだろう。(突然、なぜ中東の紅海が出てくるのか。聖書のモーゼの出エジプト記の影響だろうな)とにかく、無事に課題をこなして、めでたしめでたしである。この物語は有名である。

第135話は、Die weiße und die schwarze Brautである。ある女に実の娘とまま娘がいる。あるみすぼらしい男が村への道を聞いたところ、まま娘が親切に教えたので、その男(実は神様の化身)がお礼に願いを聞く。娘は美しくなりたいと言ったので、その男は願いを叶えてやる。war sie weiß imd schöm wie der Tag. (no. 8223)である。不親切な女と実の娘は罰として神様は schwarz, häßlich にしてしまう。(肌が黒いのが醜くて、肌が白いのが美しい、というこのテーマは人種差別につながるとして現代では禁止される話であろう、おとぎ話で、黒い肌が美してくて、白い肌が醜いというテーマを持っている話は今の所見つからない、アフリカの民話などにはあるかもしれないが)

兄弟が実の娘の姿を気に入って絵に描いてそれを眺めていた。その絵が王様に見つかり、その絵の女性を連れてくるようにと王から言われる。いろいろあったが、王様のところに取り入っていた、ある女(本当は魔女)とその実の娘は罰を受けて、まま娘がお妃となりめでたしめでたしの物語である。(ある女性を気に入ってその姿を絵にして毎日眺めて楽しんでいたら王様にその絵が見つかりその女性を連れてくるように言われるというのは似たような話が日本の民話にあったように記憶している)。

第136話は、Der Eisenhansである。王の家来たちが森の奥で野人 ein wilder Mann (no.8298)を見つけて、その男を檻に入れる。王様の子供がいて8歳であった。その子供 Knabeが檻を開けてしまう。(ここでは、王子 Prinz, Königssohn をいう表現を使っていない)野人は子供を連れて行き、ある泉の番をさせる。子供は泉に間違って髪をつけてしまい、その結果髪は金色に輝くようになる。

子供は森から出て違う国の王に仕えることになる。そこでは、その子供は髪を人に見せないように帽子をかぶっているが、王女に見られてしまう。そして、その金色に肯定的な表現を与えられている。Sie griff aber nach dem Hütchen und zog es ab, da rollten seine goldenen Haare auf die Schultern herab, daß es prächtig anzusehen war. (no.8348) 黒髪が高く評価されるのは白雪姫であったが、金髪が高く評価されるのはこの物語が初めてではないか。

第137話から第140話はパーダーボルン地方(ノルトライン=ヴェストファーレン州の一部)の話とあり、方言(低ザクセン方言か?)で書かれているので読むことはできない。なんとか英訳を探してきて読んでみる。特に面白い話ではないようだ。短い話で、断片に過ぎない。これから色々な話が加筆されて面白くなるのだろうが、その素材を提示してあるだけのようだ。

グリム童話集の一定部分を占めている方言で書かれた物語は、童話集全体の中でどのように評価されるのだろうか。言葉遊びなどもあるようである。