2014-06-07

主人公 Peter Schlemihls はお金を散財する事で人々から尊敬を受けようとしている。人々から Herr Graf.「伯爵様」(no.2522)と呼ばれたり、「ペーテル伯爵」となったりする (Und bleib on Stund’ an der Graf Peter)。虚栄心 (Eitelkeit) ゆえにいろいろな愚行を重ねていく。 Peter は Herr Forstmeister とその家族に紹介される(no.2078)。(なお、Forst の意味は公共の管理下にある営林地区、御料林である、これは英語の forest やフランス語の foret が森林一般をさしているのに比べて意味が狭くなっている。公的なニュアンスがあり、ドイツ語では意味の格式語化が起こっている。外来語として輸入されると意味が狭まることをがある、反対に広くなることもあるが)。no.2535 では、Peter は、お金を群衆に投げ与える。愚行である。

召使いがいるが、一人の召使いの名前 Raskal の名前が暗示的だ。この召使いは後ほど主人公を裏切るのである。英語の rascal (悪漢)と似ている。おそらく語源的には同じであろう。しかし、ドイツ語でこの語に形が似ていて悪漢の意味の語は見つからない。他の忠実な召し使いの名前は Bendel であり、「細いリボン」という意味のようである。この場合はは特に名称に意味はないか。さて、この話はどのように展開するのか。