2014-04-08

The Illustrated Manを読み終えた。この前読んだ The October Country が病的な不気味さがあったが、これは、さらっとしている。もちろん、The October Countryとも共通する部分は多々あり、特に子ども時代のトラウマをBradburyは大人になっても引きずっているのか?と思ってしまう。また、火星が舞台となっている章が多いので、The Martian Chronicles を読んでいるように気にもなる。

この本はイギリスの出版社から出版されているの、スペルがイギリス式になっている。colour, theatre, labour などである。ただし、apartmentなどの語はそのままで、イギリス式にflatにしたりはしていない。出版社で、読者の対象を考えてアレンジするのはありだろう。

p.228に、There was the sound of someone digging in the earth with a spade. とある。There was のあとには、定冠詞がこないのだが、これは、sound が someoneで限定されているので、the が付くのか?そして、someoneの立てる音なので、実際は、不定冠詞的な要素の強い定冠詞であると言えるのだろう。

なお、この本は、Bantam Books (1967年版)では、18章+prologue, epilogueであるのに、HarperCollins版では、16章+prologue, epilogueとなっている。そして、Usher II という章が加わっている。この章は、Usher家の没落や華氏451度と印象が重なって、興味深い章である。

次は、La Porte Etroite(kindle版)を読んでみよう。この本は、自分が高校生か大学生の頃に読んで、とても感動した。そして、30歳のころ英訳で再度読んでみて、かえって内容が分からなくなった。なにゆえに、アリサは主人公の愛を拒絶したのか。とりわけ、最後の日記が分かりにくく、この本自体が大きな謎であった。60代になった自分が、再度読んで見て今度は理解できるだろうか。