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夫であるMarcel は帰宅しない。それで妻である Germaine が調べ始める。ところで、この本は、タイトルは Maigret et les petits cochons sans queue となっているが、今までのところでは、Maigret は登場しない。妻である Germaine の視線で描かれている。
時々回想が入ったり、夫と父の会話が突然入ったりするので、あらすじを追うのが難しくなる時がある。場面が変わる時には、数行ほど空所を入れて欲しい。そうでないと、場面の変化に気づかない。
今のところは、夫が電話してきた10時半という時間、夫が3年前に知り合っていればよかった、という言葉が何かの伏線のようだ。Germaine は推理を組み立ててゆく。ボクシングの試合を見ていた時に、ルノワールの絵画を持っている人を見かけて、夫は絵画を盗み出すいいチャンスだと思ったのではないか。でも、その絵画を結局は父親の M. François に売りつけるのだろうな。そんなことをしていたなんで、Germaine が知らなかったことがあるだろうか。
などと今のところは、よく分からない。自分のフランス語の力では何か読み間違いをしているのかもしれない。
パリの早朝のタクシーに乗る場面がある。Il pleuvait toujours, toujours aussi fin. Elle avait froid, dans le fond du taxi dont la vitre ne fermait pas hermétiquement. (p.39) フランス語の関係代名詞 dont の使い方がまだ慣れない。後半の「タクシーの窓がきちんと閉まらない」であるが、dont の次に定冠詞 la が来るのが奇妙に感じる。英語ならば、whose の後に、定冠詞 the が来ることはない。 She felt cold, on the floor of the taxi whose window glass was not closed tightly. なるだろう。
あと、hermétiquement に「ぴったりと」という意味があるのを初めて知った。hermétique はヘルメスの奥義書などと関連する語と知っていたが、それから転じて、難解な、ぴったりと、という語まで発展したのは知らなかった。
それから、interpretation は英語では、「通訳」「解釈」の二つの意味があるが、フランス語では「解釈」の意味だけだ。毎日少しづつ発見があって、フランス語の勉強は楽しい。