2015-02-27
The Wind-up Bird Chronicleを聴き続ける。いろいろな話が出てくる。主人公はメイ・カサハラから、Wind-up Bird というあだ名で呼ばれている。主人公が井戸の中になぜか入って思考しようとする。「考える」ために、井戸の中に入るというのは、ありそうだ。これはLietutenant マミヤがモンゴルの井戸の中に入って数日間苦しんだ話と重なりある。
ハルキムラカミの小説は夢物語に似ている。読んでいると(夢を見ているときは)それぞれが繋がっているようにも感じる。しかし、読了後(目覚めてから)は、それぞれのつながりが見えない。有機的なつながりがあるのか、ないのか。すべて構築は読者に任されている。
このようなスタイルもいいなと思う。エピソードがたくさん与えられる。それらのエピソードを読者の好きなように、読者の問題意識に合わせて、構成し直すことが許されている、この点が魅力ではないか。『198Q』、『海辺のカフカ』は、よりまとまっていて、論理性が高いが、その分、自由度が少ない。The Wind-up Bird Chronicle は読者に高品質の食材を与える、しかし料理をするのは読者の仕事である。