異文化の森へ

忙しい日々だがグリムを久々に読んでみる。

2014-11-05

忙しいのだが、何とか時間を見つけてグリム童話集を2編ほど読むことができた。第112話 Der Drescheflegel vom HImmel を読む。特に面白い話ではない。短いのですぐに終わる。次の第113話 De beiden Künigeskinner は方言で書いてある。パーダーボルン地方の話とあるので、そこの方言のようだ。その文を参考までに下に掲げる。

Et was mol en Künig west, de hadde en kleinen Jungen kregen, in den sin Teiken hadde stahn, he von einen Hirsch ümmebracht weren, wenn he sestein Johr alt wäre. (no.6992) 昔のドイツの方言の文章は何となく分かるようで分からない。この部分の英訳はThere was once upon a time a king who had a little boy in whose stars it had been foretold that he should be killed by a stag when he was sixteen years of age,.. となる。出典は Grimms Fairy Tales at Family Resources  (http://www.familymanagement.com/literacy/grimms/grimms86.html) どうしても、方言では読めないので、この英訳でこの話は読み通す。英訳を読んだ限りでは、別に二人の王子は出てこないのだが、どうして de beiden Künigeskinner とタイトルがなっているのか。

昔、中学生の頃、岩波文庫で『グリム童話集』を読んだことがあった。当時はその面白さはあまり感じなかったが、今この年になるとこの童話集にも興味が湧いてくる。金田鬼一の翻訳だろうと思うが、アマゾンの書評でこの人の訳の評価を見てみる。おおむね好意的な評価である。方言の部分をわざとなまった日本語にしてあるとのコメントがあった。この金田鬼一はドイツ語の方言も読みこなすことができて、それにふさわしい日本語にしたことが分かる。これは素晴らしいことである。

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