異文化の森へ

Le Port des brumes を読み終える。


Le Port des brumes (Simeon, Le Livre de Poche)を読み終えた。数年前に一回読んであるので、二回目の読書になる。内容はほとんど覚えていなかったので、新鮮な感じで読むことが出来た。この舞台となったのはノルマンディー地方にあるOuistreham という町である。名前の由来はOyster とHam (=village)から起こったようだ。ノルマンディー上陸作戦の時には、ここがその戦場になったのだ。

Ouistreham

さて、1931年に出版された本であり、舞台は古風な印象を受ける。霧深い港町でおこった謎の失踪事件と殺人事件だ。主人公のメグレだが頭を使って論理的に解決するという内容ではない。むしろ淡々と事件が進んでゆく。その意味では、素朴な感じの小説である。今、英語で自分は Ross Macdonald をも読んでいる。これは内容が入り組んでいて、主題が深いという感じがするし、謎解きも見事である。しかし、謎解きが見事であるがゆえに、二度目を読む気はしない。

ところがメグレシリーズは単純で素朴であるがゆえに何度でも読んでみたいという気持になる。これが不思議である。自分は、北フランスの寒村、寂しい港町のお話として読んだ。この地の冬か?霧の多い地域、そして酒の匂いなどを味わいながら読んだ。あらすじを追うというよりも、この舞台に立ってみたいという感じがしたのだ。

さて、次は何を読むか。メグレシリーズを読むのは間違いないのだが、このようにやや地味なお話の方に興味を惹かれる。

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