異文化の森へ

Marcel が帰宅しない。

⚪️
夫の Marcel が帰宅しない。なんら電話連絡がない。妻は心配になってくる。そして、以前に夫が言った何気ない会話が伏線のように思い出されてくる。

– J’aurais dû te rencontrer trois ans plus tôt …
– Pourquoi ?
– Parce que, quand on est jeune, on perd son temps…

C’est inouï le nombre de petites phrases de ce genre auxquelles elle n’avait attaché d’importance, et qui lui revenaient à présent. Jusqu’à sa gaieté, qui prenait un autre accent. (p.21)

「3年ほど早く知り合っていればよかった」とは、何かがその3年の間に起こったことを暗示している。読者としては謎が提示されたわけで、その謎を知りたいという気持ちにさせる。これは探偵小説の技法として上手だと思う。

夫は自分のことを次のように評価している。(p.21)

Du bon et du mauvais bien mélangés que je ne m’y retrouve pas toujours moi-mème…

夫が謎めいた人物のようになってくる。果たして夫の秘密とは何か、隠れた愛人がいるのか、不正なビジネスに関与しているのか、それらはこの本を読んでのお楽しみということだ。

モバイルバージョンを終了