⚪️
La Folle de Maigret を読んでいる。Grand Marcel は殺された。ボスの Giovanni は警察の手が及んできたので、危ない橋は渡りたくない。彼はすでに成功して一財産を築き上げたので、冒険をする必要はない。そこで彼は手下に命じて、Marcel を射殺したのだ。Marcelは、Au cours de nuit, il a reçu une balle en plein front. De calibre 38, que n’utilisent guère que professionnels. (p.181)
自分の愛人が殺された話をAngèle Louette はMaigret から聞く。それまでは、Grand Marcel を厄介払いしたいと言っていた彼女であるが、本当は好きだったのだろう。やはり情は移っていたのだ。そこで彼女は泣く。小説では、彼女が泣く様子を詳しく述べるのではなくて、外では雨が降っていたという描写を並行させることで、彼女の涙の様子を上手に表している。この辺りは Simenon は小説の巧者だと思う。下にその文を示す。
Il alla se camper devant la fenêtre pur lui donner le temps de reprendre possession d’elle-même. La pluie tombait toujours, légère, et on voyait des parapluies luisants le long des trottoirs.
この parapluies luisants の部分だが、Angèle の涙が光っているような気がする。外と内の情景を重ね合わせていて面白い。