異文化の森へ

命の水

2014-09-08

グリム童話集の第97話 Das Wasser des Lebens を読む。病気の王様の命を救うために、三人の息子が命の水 (das Wasser des Lebens) を探しにゆき、末子が命の水を見つけるという話である。グリム童話集ではよくありふれたパターンである。

ここで注目したのは、Prinz と Königstochter という二つの言葉が併用されているという点である。グリム童話集は初版の頃は、フランス語からの外来語である Prinz と Pinzeß を使っていたが、ナショナリズムの進展とともに、徐々に純粋のドイツ語である Königssohn とKönigstochter が使われるようになってきた。しかし、この第97話では、使用されるようになった時期に時間差がある。つまり、Königssohn とKönigstochter がドイツ語に浸透してきたとしても、時期的にずれがあることを示す証拠であると考える。Königstochter が先に取り入れられ、次に Königssohn が取り入れられるようになった。

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