異文化の森へ

第72話から第78話

2014-08-11

第72話から第78話までを読んでみた。第78話 Der alte Großvater und der Enkel はグリム童話集としては毛色の変わったお話なので紹介をしておく。ひどく年取った(steinalt)老人がいた。Es war einmal ein steinalter Mann, dem waren die Augen trüb geworden, die Ohren taub, und die Knie zitterten ihm. (no.4948) とある。そして食事の時はいろいろと粗相をしてしまう。Wenn er nun bei Tische saß und den Löffel kaum halten konnte, schüttete er Suppe auf das Tischtuch, und es floß ihm auch etwas wieder aus dem Mund. (no. 4948) という具合である。あるときに皿を割ったので、息子夫婦は怒って次から安い木製の皿を使わさせるようにした。そしたら、後日、4歳の子どもが小さな飼料桶 Tröglein をこしらえて、自分が大きくなったらパパとママに使わせる食器を作っている、と言って遊んでいた。それを見た息子夫婦は後悔して、老いた父親を丁重に扱うようになった、という話だ。

グリム童話集の中では、珍しく、動物も魔法使いも王子も王女も出てこない話である。教訓話であり、今、老いた母親を介護している自分としては身にしみる話である。ただ、老人用の皿は落としても割れないように木製の皿の方がいいと思うが、これはどうだろうか。

モバイルバージョンを終了