異文化の森へ

Zarathustraは難解な本?

2014-06-13

Zarathustra はあまり面白い本ではない。背景が分からないとしんどい。no. 520 には、つぎのような文がある。Seht! Ich zeige euch den letzten Menschen. “Was ist Liebe? Was ist Schopfung? Was ist Sehnsucht? Was ist Stern?” so fragt der letzte Mensch und blinzelt. こんな文はどう解釈したらいいのか?

まず、letzten Menschen とは誰だ?Wikipedia で[letzten Menschen, Nietzsche] で調べるといくつか記述があった。どうも無気力でニヒリズムにつながる人間のようだ。Liebe, Sch?pfung これは聖書の概念に疑問を呈しているのか? Was ist Stern? なぜこんな事を問うのか?Stern は黙示録で出現する星を指しているのか?無気力な最後の人間がなぜ、こんな質問をするのか?頭をかかえてしまう。

昨晩、ちょっと Slan を読んでみた。A.E. van Vogt 著で、kindle版で入手していた本である。これは面白い。冒頭から緊迫する。母と子供が何かから逃れている。母は殺される。どうも彼らは新人類(超人か?)であるようだ。そんな逃亡劇から話が発展していく。

二つの話が並列して語られていく。一つは冒頭の少年(9歳)の物語、他は少女(11歳)の物語である。この話は面白そうだと思われる、予感として、二人の成長の物語であり、この二人はいずれ出会うであろう。いま話の20%ほど読んだ時点だが、そんな大枠が予想されてくる。いずれにせよ、特に背景知識を必要としない点はいい。低コンテキストの語りである。

この本は、Bildungsroman (教養小説)であり、二人がどのように通過儀式を超えて結末を知りたいという気持ちになる。一方の Zarathustra は今のところどんな風に展開するか予想できないのだが、これは問題だ。読者は話の方向(話の大枠)をある時点で見えるようにしてくれないと読者は戸惑ってしまう。Zarathustraは現時点では、主人公の独白に近い(退屈な)語りが続くだけである。

そんな事で、しばらく、この二つの本を平行して読んでいきたい。

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