異文化の森へ

Il dit oui

2014-05-18

急に、昔読んだ東京元々社「最新科学小説全集」の事を思い出した。自分が中学生か高校生のころに、この全集のいくつかを読んだ。とても、面白かった事を覚えている。早速ネットで調べてみると、書名と原書のタイトル、著者名が見つかった。Amazonで紙の本を発注とも考えたが、紙の本は場所をとること、値段が比較的高価なこと、文字の大きさを調整できないこと、などなどで kindleで注文した。『スラン』『人形つかい』『人間の手がまだ触れない』などが即座にダウンロードされて合計で3000円ほどである。これからは電子書籍がますます勢いを増すであろう。kindleはますます薄く軽くなり、充電力がアップするであろう。紙の本の将来は危ないか?自分は最近は、古い本やノートは、処分する前に、Evernoteに読み込んでいる。そして、IPad か MacBookで必要なときに読むことにしている。

相変わらず Maigret Voyage を読んでいる。軽い紙の本は外出したときでも手軽に読めてそれはそれで重宝するのだが。

さて、いくつかの気づいた点を記していきたい。oui の使い方だが、 Maigret fit signe que oui. (p.66)とある。また Maigret fit oui de la tete. (p.83)とある。C’est le sens que je donne au mot, oui. (p.90)とある。

p.66の文は、C’est a la police de l’aeroport que vous d?sirez parler? という疑問文(節)に対する答えだから、que oui と答えている。

p.83では、Tres sec? という語に対する答えだから、oui だけである。p.90では、Physiquement? という語に対する答えだから、oui となっている。あるいは、その直前に mot という語があるから、やはりouiだけになっているのだろう。

問題は、p.65 のこの文である。C’est vous qui avez ?tabli le billet

de la comtesse Palmieri? Il dit oui. である。主語と述語のある節による質問に対して、

oui とだけ答えている。ということでdit que oui と思うのだが、どうだろうか。とにかく、

なかなか首尾一貫した理解はできない。

それから、この小説では、伯爵がでてくる。この当時(1950年代)はフランスやイタリアに伯爵などはいたのか。すでに共和制になっているのではないか。共和制でも、伯爵などの存在は認められるのか。公的ではなくても、単に慣習的に人々は、偉い人を伯爵と呼んでいたのか、よく分からない。

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