異文化の森へ

Maigret voyage を読み始める

2014-05-13

Maigret voyage (Simenon, Presses de la Cite, 2010)を読んでいる。Bradburyと比べると読むのが本当に楽だ。Bradburyはあまりに多くのイメージがこちらに飛び込んできて、まるで迷路をさまよっているようだ。しかし、Maigret のシリーズは話の展開がパターン化されているので、それに乗っかればいいので、楽に読んでいける。

伯爵夫人が医者を呼ぶ場面だが、Appelez vite le docteur. Est-ce qu’il y en a un dans l’h?tel? (p.9)とある。どうして定冠詞 le なのかと思う。医者がいるのかどうかと尋ねるくらいだから、不定冠詞 un とすべきと思う。しかし、辞書で調べると医者を呼ぶ場合は、かならず le docteur となるようだ。英語では send for a doctor となるのだが。これまた独和辞典で調べると、ドイツ語では、rufen den Arzt と定冠詞がつく。

Le docteur Frere connaissait la plupart des appartements de l’h?tel. (p.12)とある。appartement と hotel のどちらに住んでいるのかと迷ってしまう。事件は、アパルトマンで起こったのか、ホテルか、と分からない。これまた辞書で調べるとappartementには、ホテルのスイートルームを示す意味があるようだ。

しかし、話の内容からは、短期的に滞在者ではなくて、高級ホテルを根城にしている人々の話のようだ。お金持ちは、ホテルにそのまま滞在した方が楽なのであろう。

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