異文化の森へ

海という異界

2014-04-02

 

Die Geschichte von der abgehauenen Hand を読み始めた。はじめに、父の息子への思いが描かれている。No.625では次のような文がある。So sprach mein alter Vater, und Tranen hingen ihm im Auge, vielleicht aus Ahnung, denn ich habe ihn nie wiedergesehen. こんな文章は感動的だな。

 

まえの幽霊船の話でもそうであったが、この物語では、海が舞台背景にっっている。幽霊船では、海、夜、嵐という三拍子がそろって、魑魅魍魎の登場となる。海賊たちは生きることも死ぬこともできずに、罰をうけて海をさまようのだが、土をかけることでようやく成仏できるようになる。ここでは、海と夜が他界で不気味な世界を象徴している。ストーリとしては、なじみのある構成になっている。

しかしこの Abgehauenen Hand の物語は海を渡るのだが、フランスとコンスタンティノプールという比較的短い距離を航海するのであり、未踏の大海原へ乗り出すというスリルは感じられない。まだ、この話は読み始めたばかりだが、この物語では、海はどのような役割を果たすのか。単なる港町をむすぶ交通手段だけなのであろうか。

いま、Wikipediaをみている。日本語版よりドイツ語版が確かに詳しくて役に立つ。

枠構造とは Rahmenerzahlung ということを、覚えた。また、童話集の第二巻にはグリムの話からとった話があるが、グリムとは一風おもむきがかわってアレンジしてあるようだ。

海は異界であろう。浦島太郎の話が示すように、時間と空間がまったく異なる世界である。普通は恐怖と好奇心というアンビバレンツな気持ちを抱くが、民話ではむしろ好奇心だけが強調される。私がこの話を翻案するとしたら、かなり異界性と畏敬の念をいだかせるように書き上げてみたい。

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