2014-06-26
40番の物語、Der Räuberbräutigam を読む。最後は盗賊たちは捕まってしまう。そして物語の最後に次のような表現がある。Da ward er und seine ganze Bande für ihre Schandtaten gerichtet. (no.2730) この最後の語 gerichtet の解釈だが、(1)裁きをうける、(2)死刑になる、の二つが可能だろう。辞書によればどちらも古風な使い方とある。盗賊たちはかなり悪いことをしてきたので、死刑判決をうけたと解釈するのが妥当だと思う。
むかし、大学院で英語の授業を受けていたときに、He was shot …. という文があり、自分は「彼は撃たれた」と訳したら、先生はそこは「彼は射殺された」と訳すべきと訂正した。この文は前後に何もない一文であり、文脈から判断することはできなかった。ただ、shoot は受け身になった時は、撃たれた結果死亡したという含意もあるのか、と不思議に思ったことがあった。
richten は「裁く」のか「処刑する」のどちらであろうか。hinrichten となるとただちに死刑を意味する。結果をどの程度まで含むのか語によって異なるだろうが、一般には「死」を示すのはタブーがあるので、結果を曖昧にした言い方が好まれるようだ。日本語の「処刑」は字面だけなら刑に処するの意味だし、英語の executeも、遂行するだけではなくて「死刑」まで遂行するの意味がある。そんなことから、gerichtet は「死刑になった」と解釈したい。